【ぶんぶ文庫】J.D.サリンジャー/訳・村上春樹「キャッチャー・イン・ザ・ライ」
「ライ麦畑でつかまえて」で親しまれてきた名著を、
村上春樹さんが新たに翻訳したものです。
ずっと読みたいと思っていて、やっと読むことができました。
果たして塾に置くことがふさわしいのかどうか・・・
主人公のホールデン・コールフィールドは、
成績不振で学校から放校を言い渡され、
ある種、やけっぱちのようなことをしたり、
言ったりする物語です。
青春時代のうまく言い表せない、
心の衝動ややるせない想いに胸を打たれます。
自分の中の譲れない正義や、
うさんくさい大人や汚い世の中に対する嫌悪。
それでいて、その一員に取り組まれていく葛藤。
巨大な世界に対して、
あがき全身でぶつかるホールデンの姿に、
自分の中の忘れてはいけないものを思い出させてくれます。
人によって思うことも様々なのでは、
と思わせる物語でもあります。
ぜひお手に取ってみてください。
[2023-05-07]